絵画の迷宮   (北川健次著)‏ [ノンフィクション]

作者は「銅版画とオブジェの第一人者で、美術評論も手がける」方だそう。

ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」の謎、フェメールと謎の人物レーウェンフック、そしてスピノザが織り成す不思議、ピカソ・ダリ・デュシャンの共通する舞台などが描かれる。

作者は詩人でもあるようで、感情的な詩的表現も多いが、大胆にもレオナルド・ダ・ヴィンチを「性同一性障害」と位置づけるなど、素人でも非常にたのしめる。

また写真や挿絵も多くわかりやすい。

ダ・ヴィンチに関しては先日ロワールに行った際、本人が晩年すごした古城の資料館でも見たが、
やはり「天才」であることは間違いないと思う。

絵画などの美術だけではなく、現代に通じる武器や、乗り物などその才能は限度を知らない。

彼を表す際よく使われるが「怪物」という言葉がよく似合うと思う。

フェルメールは個人的にも好きな画家だ。

「光の魔術師」といわれるフェルメールの「光」はどこから来たのか。

その答えがフェルメールの「地理学者」という作品にも描かれているレーウェンフックに関係がある。

「真珠の耳飾りの少女」は以前ルーブルかどこかで見たような気がするが(うそかもしれない)、所蔵はオランダ・ハーグののマウリッツハウス美術館だそう。

知らなかった。

同作品は日本を含めかなり世界を旅しているようなので、事前に確認しなければ危険だが、
それほど鑑賞者も多くない(多分)ハーグにこの秋の間に見に行こうと思う。

フェルメールに限らずヨーロッパの画家が光への渇望を描くのは、ここに住んでみるとよくわかる。

夏は短く、冬は長く寒い。
ちなみにここドイツは早くもヒーターが必要な日が出てきた。

実際にヨーロッパ人は女性も含め少しでも太陽に当たろうとする。しみなど気にしない。

夏のテラスなど、日本女性は直射日光があたるところは避けたがる人が多いが、こちらでは日のあたる場所から埋まっていく。

そして南仏やイタリア・スペインにあこがれる。

ピカソといえばキュービズムだが、ダリ・デュシャン、そしてピカソがこよなく愛した町がスペインのカダケスという小さな漁村だ。

車がないと行けない様な小さな町。

ここにくる旅人といえばダリの家を訪問する人くらいだ。

そして、この町は町そのものがキュービズムなのである。

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