さよならドビュッシー   (中山七里著)‏ [小説]

「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。

基本的にミステリー好きではないが、「このミス」作品には面白いものが多いのと、
欧州に住むようになってからクラッシックに触れる機会が多いので、買ってみた。

結構話題になったのは知っていた。
だが、正直、読む前は「どんなもんかなぁ?」という期待と懐疑心があったので、同著者作の「おやすみラフマニノフ」は買わなかった。

。。。。

買っておくべきだった。

次回帰国時には間違いなく買う。

資産家の祖父の下、何不自由なく過ごしていた一家に起こる大火事。

全身やけどにもかかわらず奇跡の生還をとげ、全身の皮膚を移植しリハビリを行いながらコンクールを目指す少女。

それだけだと、いかにも「感動の話」になりそうだが、そこにミステリーが絡むので、お涙頂戴にはならず、かえってリアリティーが出てくる。

一方でミステリー自体が主題で進むわけではないので、ミステリーはちょっと・・・と、言う人にも楽しめる。

そして何より、やはり音楽の表現が圧巻だ。

ピアノが奏でる旋律が目に浮かぶようであり、ドビュッシーやベートーベンなど作者の思い・背景なども詳しく描かれる。

この本に沿ったCDがあればいいのに、と思う。

それでいて、やはりクラッシックはあまり・・という人にも読めるのだ。

もちろんミステリーとしても秀逸。

最後のどんでん返しはまったく予想がつかない衝撃だ。


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