数字のウソを見破る法   (雑学チーム101) [その他]

世の中にあふれる「数字」のカラクリを解説したもの。
個人的にはもっと「分析」=どのように数字を操作すれば「衝撃的な」数字が出るか
同じ数字でもこう見せることで宣伝効果が倍増する、
と言うようなものを期待していたが、どちらかと言うとそれぞれの数字の「背景」を解説したものが多い。
そういう意味では期待とは違ったが、それぞれのカラクリは面白い。

では、対照的で面白かったものを。

2010年、日本の犯罪検挙率は31・4%だったそうだ。
1980年代は60%台後半だったので、一見検挙率が大きく落ちている様で「警察はなにやってんだ?」と言う声が聞こえてきそうだが、そうではないらしい。
実は分母である「認知件数」が大幅に増えたのだそうだ。
その認知件数増加も犯罪事態がそれほど大幅に増えたわけではなく、「ストーカー事件」に代表されるように警察の職務怠慢が問題になり指摘されるようになったため、積極的に被害届けを受理するようになったのだ。
さらに、以前は検挙率を上げる為、軽犯罪に重点を置いたりしていたらしいのだが、
凶悪犯罪に重点をシフトした為でもあると言う。
実際、凶悪事件の検挙率に限っては98・2%だそうだ。
これなんかは、行政としては珍しく、表面的でない改善の例だろう。

一方、一時期よく話題になっていた「待機児童」に関してはまったく逆だ。
社会問題化し、対策を迫られた政府は2001年「待機児童ゼロ作戦」なるキャンペーンをぶち上げた。
結果、リーマンショックによる不況により共働きが増えるまでは毎年順調に減少していた。
そう言えば一時期ほど騒がれなくなったな、政府もやるじゃん、と思ってはいけない。
なんと、厚生労働省は「ゼロ作戦」発表に前後して「待機児童」の定義そのものを変えてしまったのだそうだ。
それ以前は国の工費で運営される「認可保育所」に入所申請したのに入れない子供を待機児童としたのに対し、
発表前後にはそれを「認可外保育所(助成金がないので高い)」に入っていたり、「他に入所可能な認可外保育所などの施設があるのに、特定の保育所を希望して待機している」子供は待機児童に含まなくなったのだ。
ひどい話だ。
こんなのは国レベルの詐欺以外の何者でもないのではないだろうか。

そのほか、不動産の「駅から徒歩〇分」の定義 (日本は規制が厳しいのであれはウソではないそうだ)
や、TOEFLの結果、日本はアジア29カ国中28位と発表されたが、日本の英語力は本当にアジア最低なのか、
など。

軽く読めるが、結構ためになって面白い本。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。