怖い絵 2   (中野京子著) [その他]

以前書いた「怖い絵」の第2弾。

今回もピカソ、ルーベンス、レンブラント・・・と早々たる画家の作品が「実は怖い絵」として紹介される。

ベックリン「死の島」などはものすごく静かでものすごく美しいが、タイトルの通り「死」を髣髴とさせ、なんとも暗い絵だ。
「でも、この絵好きだなぁ」などと考えながら読み進めていたら、あのヒトラーがこの絵のファンで執務室に飾っていたそうだ。
そう考えると怖い。。。自分が。。。

第1弾に比べ実際に怖い絵も多かったような気もする。

ブレイクの「巨大なレッド・ドラゴンと日をまとう女」など、どう見ても異様である。
当時の絵の多くは宗教、特にキリスト教をモチーフにしており、これもそうなのであるが、そうなると「宗教っていったいどないやねん!?」とさえ思ってしまう。

印象に残ったのはフォンテーヌブロー派の逸名画家による「ガブリエル・デストレとその妹」

と、言うのは、先日日本でふと立ち寄った銀座のカフェ。
フランスかベルギーの有名なお菓子の店が出している高級感あふれるカフェだったが、そこの壁にこの絵が描かれていた。

但し、この絵の最大の特徴である「ガブリエルの妹」と推される向かって左の裸婦が右のガブリエル(これも裸)の乳首をつまんでいるという衝撃的な部分は何故かカットされていた。

この絵はルーブルでもホンモノを見ているはずで、カフェに入って最初「どこかで見た絵だなぁ」と思っていたのだが、背景の画中画の卑猥な絵で思い出した。

ちなみにこのカフェで食べたプチ・ブリュレ盛り(もちろん正式名称ではない)はとてもおいしかったが、ワインが赤なのになぜかキンキンに冷えていた。 
ただ、冷えていたおかげでお菓子とも相性が良かったので、それを見越して冷やしてあったのかもしれない。
だとすればすばらしい。

さて、絵の話に戻るが、この絵の何が怖いかと言うと、ガブリエルは王女になってすぐ毒殺されているのだ。
そうすると背景の卑猥な画中画にも理由がつく=アンリ4世の寵愛を受け王女になったガブリエルを皮肉っているのだそうだ。
また同じく背景にある衣装箱の位置もおかしいらしく、ガブリエルの好きな緑の布をかけて中央に「安置」してあることから、「棺」を意図しているのではないか、と解説されている。
そして性的シンボルである乳首をつまんでいる左の女性は・・・勝ち誇ったようにほくそ笑んでいるのである。

そんな怖い話はさておき、またあのカフェに行きたいな。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。