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許永中 日本の闇を背負い続けた男   (森功著) [ノンフィクション]

京都の人間なら全員とまでは言わないが、かなり多くの人がこの名前には聞き覚え、もしくはそれ以上の知識があるのではないだろうか。
多分、一番有名な事件は京都の放送局、KBS京都乗っ取り事件だろう。

ちなみにこのKBS事件で許永中氏が社長に迎えた政治フィクサー・福本氏の親戚が大学時代~社会人の当時の遊び友達(と、言うか先輩)だったので、個人的にも非常に興味があったのを覚えている。
この友人は大学は別だったのだが、共通の知り合いに紹介され、その知り合いをすっ飛ばして仲良くなり、かなり頻繁に遊びに行ったり、アパートに泊まりに行ったりしたものだ。

この本を読んで、1つ気付いたこと。
以前から京都は汚職を中心に、政治がらみの事件が多いのは何故だろうと思っていたのだが、ある特有の問題(大阪も)でものすごい利権が絡んでいるからというのがどうやら真相の様だ。
ある問題・・・・京都人としては怖いので書けません。

それにしても許永中氏の周りは日本を代表するような大企業の社長、大物フィクサー、日本を代表する組関係など、誰もが知っている様な名前が続々と出てくる。
それだけ、陰に陽に日本の根本の仕組みに入り込んでいたということなのだろう。
にもかかわらず、一番怖いのはそれだけの「大物」を簡単に使い捨てにして利用してしまう日本の政治家。
すべてがそうではないのだろうが、一部政治家が日本最大の悪人であることは間違いないだろう、と思った。

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インテリジェンスの賢者たち   (手嶋龍一著) [ノンフィクション]

読んだ本がかなり溜まっているので、今日は1日で2冊目の感想。

「ウルトラ・ダラー」「スギハラ・ダラー」の著者であり、9.11の際のNHKワシントン局長でもあった手嶋龍一氏の時には取材者として、時には旅人として出会った人々の光景。

まず、最初に思ったのはNHKワシントン局長とはこれほど広い交友を持つのか、という驚き。
それとも、これは手嶋氏が特別なのだろうか。

出てくるのは超一流のジゴロ、英国の元女性秘密工作員、人里離れた森でしか生活できないベトナム帰還兵たち。。。。さらには各国首相などなど。

面白かったのは「鉄の胃」と呼ばれたドイツ・コール首相。130キロの巨漢の首相は夫妻で「ドイツ・グルメの旅」という本を出すほど食通だった。
と、いってもドイツである。 コール夫妻は各国の首脳を自宅に招き、“一番のお勧め”「ザウマーゲン」で歓待したそうだ。
この「ザウマーゲン」、雌豚の胃にラードをたっぷり利かせた詰め物料理で、見たことがある人はわかると思うが、手嶋氏が書いているように、見るからに「メタボリック・フード」なのだ。
欧州首脳の中にはこの「ザウマーゲン」怖さにアジア歴訪の日程を急きょ組んで招宴から逃げ出した人もいたのだとか。
「お茶漬けの国」の首相は、晩餐を受け付けず吐いてしまったそうだ。
そんな中、ゴルバチョフ・サッチャー・ミッテランはお国のために微笑を浮かべつつ、雌豚の胃を飲み込んだ剛の者だったらしい。

「注文の多い宿」として登場する貴族たちが宿泊する英国「Temple House」というホテルはオーナーが香アレルギーで香水はもちろんのこと、整髪料、香りのする石鹸などすべてを絶って細心の注意を払って訪れなければいけないそうだ。
面白いのは物語の最後にTemple Houseの住所と連絡先が注意事項とともにきちんと記載されている。

あるイタリアの貴族の館には次の対のことわざがダイニング・ルームに掛かっている。
「警察官はイギリス人、機械工はドイツ人、料理人はフランス人、恋人はイタリア人、そしてすべてがスイス人の手によって運営されている、これこそが天国だ」
「警察官はドイツ人、機械工はフランス人、料理人はイギリス人、恋人はスイス人、そしてすべてがイタリア人の手で運営されている。これこそが地獄だ」

ところが最近もっとも反対意見が多いのは「機械工はドイツ人」というくだりとのこと。
ドイツ人が世界に冠たるマイスターの国、というのは過去の神話にすぎない、というのだ。
そして一例としてドイチェ・テレコムの機械工があげられ、「2」を押すと「1」につながる電話が多く、修理を依頼しても一向に直らない、という。
これには激しく同意する。
幸い電話は問題ないが、T-Systemという日本のNTTのような会社に過去3年間に費やした、いや、浪費した合憲時間はどれほどになるだろうかと思うと、気が遠くなる。
ちなみに先日、日本への一時帰国1週間前にPCに関してある不具合があったのだが、T-Systemに連絡したところ、OSの再インストールが必要だという。
日本にいると「そんなのたいしたことない」と思うかもしれないが、前回再インストールした際はすべての資料は消されるわ、メールも使えなくなるわ、日本語変換ソフトも消去されるわ、などなど、完全復旧まで3週間ほどかかったのだ。
なので、この時期に修理をするのは自殺行為ということで、1つの不具合を泣く泣く我慢した次第である。

風の男 白州次郎   (青柳恵介著) [ノンフィクション]

白州次郎は1・2年前の「白州次郎」ブームで知った口だが、あの時代にこんな男がいたのか、と感動した。
その後、NHKのドラマを見たり、いくつかの本を読んだりしていた。

今の時代でも外人にはへらへら笑って、強く言えない人が多い中、あの時代で占領軍司令官のマッカーサーに正面切って反対意見を述べていたというのは本当にすごいと思う。
今は国際化と言うが、例えば外資系企業でも外人におもねる人のなんと多いことか。
しかも、一番嫌いなのはその「外人」は白人に限るのだ。
アジア人に対しては常に上から目線だったりする。

話はそれるが、今欧州に住んでいて楽なのは、こちらにいる日本人はあまり白人だからと言っておもねることもなく、アジア人を見下すわけでもない。
白人は同じ町に住んでいる人たちであり、アジア人は「同じアジア人」なのだ。

白州次郎の偉いところ(本人の意思ではなく結果としてかもしれないが)は、吉田茂のブレーンとして政治の中枢にいたにもかかわらず、本人は表に立っていない点だと思う。
これだけ強い人間が表に出るといろいろ軋轢があったのではないかと思う。

しかし、吉田茂のブレーンの話、何の役職もない人が官僚と一緒に海外視察に行ったり、今の時代では公費の私的流用などと言われて到底容認されないだろう。
そういう風に考えると、龍馬や信長の様にその時代、時代で必要な、他とは次元の違う英雄が出てくるものなのだろうか。

では、今の時代に出てくる英雄はどんな人物なのだろう??

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疑惑の真相 「昭和」8大事件を追う   (永瀬隼介著) [ノンフィクション]

現在映画化されている3億円事件を描いた「ロストクライム 閃光」の著者のルポに基づいたノンフィクション。

件の3億円事件を筆頭に、成田空港問題、和田心臓移植、潜水艦なだしお衝突事件、丸山ワクチン認可問題などの裏側を描いており、非常に面白かった。

3億円事件は昔からなぜか非常に興味があり、今までも小説や映画・TVドラマなど多数見ており、結構詳しいほうだと思う。

この本では、3億円事件の犯人の真相ではなく、実際に誤認逮捕された男とその家族の悲劇が描かれている。

和田心臓移植のくだりでは思わず胸がムカつく程の嫌悪感を覚えてしまう。

丸山ワクチンの問題では、厚生省がいかに国民のことを考えていないか、医師の世界がどのような権力構造になっていて、その派閥等ですべてが決まってしまう点など、なんとなくわかっていたことではあるが、具体例や関係者の証言(実名)を元に証明しているので非常に興味を引かれた。

ちなみにこの本を読んで「閃光」の映画を見たが、そちらは事件の真相部分はよいが、物語の結末は少々??で個人的には違和感があった。

しかし、3億円事件はいろいろ見たり読んだりしている中でどうやら「立川グループ」が関与しているのはまず間違いないようだ。

そしてそのグループ内に警察幹部の子息がいた為、ある時点で捜査がうやむやになってしまった点も、どうやら間違ってはいない様だ。

そういえば映画「閃光」でも「警察は身内を守る為ならどんなことだってする」という様なセリフがあった。

3億円事件に関しては今まで読んだ中でこれは一番真相に近いと思っており、2・3度読み直した本があるのだが、今回のこの本と映画で再度読み直してみたくなったので、また近いうちに感想を書くことになるかもしれない。

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