人を動かす (D・カーネギー著) [自己啓発]
「偉人は小人物の扱い方によって、その偉大さを示す」
フロイトによると人間のあらゆる行動は2つの動機に起因するーつまり、性の衝動と、偉くなりたいという願望、だそうだ。
他の哲学者や研究者でも言葉は違うが「自己の重要感」が必ず出てくるようだ。
つまり、人間は自分が重要だと思いたい・思われたいということなのだろう。
このことを十分理解し、行動原理としていたのが、リンカーンであり、アンドリュー・カーネギーであり、ロックフェラーだった。
カーネギーは公私いずれの場合も他人を褒め称え、自ら墓碑銘として「おのれより賢明なる人物を身辺に集むる法を心得し者ここに眠る」と書いたそうだ。
ロックフェラーも「真心を込めて感謝する」と言うことを常に意識して心がけていた。
〝レストランで出された料理が気に入ったらシェフに賛辞を伝えてもらい、丁重な態度で接してくれた接客係にはその対応に感謝の意を伝える。”
これはなんとか心がければ出来そうだ。
一方、“人を非難しない、気に入ったことがあれば心から賛成し、惜しみなく賛辞を与える”
これは意外と難しい。
仕事などでも、部下や相手がミスをしたり、言葉は悪いが「使えな」かったりする場合は、どうしても非難の方向に向かってしまうのではないだろうか。ロックフェラーのように億の損失をした部下相手に60%回収したことを褒め称えることなどなかなか現実的には出来ないだろう。
ただ出来るだけ褒める事は出来るはず。
及ばずながら、この項を読んでから一日1回は人を賞賛するメールを入れてみようと思っている。
ただ振り返ると必ずしも毎日出来ておらず、人を褒めるということの日常の少なさに驚いている。
また、相手が重要感を抱くには「名前を覚えること」も重要だとある。
カーネギーの会社が採算度外視でライバル社と泥仕合を演じていた際、相手の名前を全面的に出すことで簡単に合弁会社を作って、その分野を独占した話などはとても興味深い。
「聞き手にまわる」と言う原則では、
人に嫌われたり、陰で笑われたり軽蔑されたりしたかったら、次の条項を守るだけでよい、と書かれている。
一、相手の話を決して長くは聞かない
一、終始自分のことだけをしゃべる
一、相手が話している間、意見があればすぐに相手の話をさえぎる
一、相手はこちらよりも頭の回転がにぶい。そんな人間のくだらんおしゃべるをいつまでも聞いてる必要はない (と、考える)
どうだろう?
誰にでも思い当たることがあるのではないだろうか?
しかし、これが嫌われ、軽蔑される条項なのである。
逆に重要なのは「相手が喜んで答えるような質問をする / 相手自身のこと・得意としていることを話させ、心を込めてそれを聞く。」
それだけでよいのだ。
先日ディベートの本について書いたが、この本では「議論に勝つ唯一の方法として議論を避ける」とある。
議論をすればたとえ勝ったとしても相手には不快感が残る。それは勝ちとはいえない。
リンカーンの言葉にも「出来る限り相手に譲るべきだ。犬に出会ったら、権利を主張して噛み付かれるよりも、犬に道を譲った方が賢明だ。たとえ犬を殺したとて、噛まれた傷は治らない」というものがある。
誤りを指摘してはならないのだ。
「我々は自分の考え方を変える場合がよくある。ところが、人から誤りを指摘されると腹を立てて意地を張る。この場合我々が重視しているのは信念などではなく、自尊心なのである・・・」と言うのはある高名な教授の言葉だ。
これなどは、最近ビジネス(多分欧米)でよく言われている優秀なビジネスマンは「I ではなく WE を使う」と言う事実につながるのではないだろうか。
(実際に最近はほとんど We を使うようにしているが、これが意外と難しい。ここでも人間の自己主張の強さに驚かされる)
そして友好的・感謝に満ちた態度で相手に接することで、相手の心は動く。
ここで出てくる「北風と太陽のイソップ話」が分かりやすい。
激しい力ずくのやり方では相手はますます心を閉じる(「北風と太陽」の場合、ますますオーバーをしっかりととじる)、一方やさしい親切なやり方ははるかに効果があるものだと太陽が証明する。
なんて奥深い話だったのだろう!
自慢話をしない、と言うのはよく聞かれる事である。
さらに相手に話をさせる、ということも特に仕事では重要だ。
さらに言えば、相手に肯定的な意見を自ら言わせることが出来れば完璧だ。
人に注意を与える場合についても原則があるそうだ。
よく、人を批判する場合、まずはほめておいて、次に「しかし」と言う言葉をはさんで批判的なことをいい始める場合がある。
これなどは、本やセミナーによっては「Yes, but 方式」という名で正しい注意の仕方として教えられることもあるのではないだろうか。
しかし、この本ではその「しかし」を「そして」に言い換えるように勧める。
「期待をかける」という原則でも、なるほどと納得させられた。
人は評価を与えられると、その評価に違わぬ様にしようとする のだ。
例えば極端な話、会議などで進行を妨げるような言動をする人を「あなたの意見はいつも建設的で、周りの言うこともよくきいている。ひいてはあなたが司会進行をしてくれれば会議が非常に活発になるのでお願いしたい」と、議事進行役に指名すると、本人はその評価通りにしようと努力するのだそうだ。
これは結構使えるかもしれない。
このように、なるほどと思った内容を書き出したらきりがないが、そのどれもが納得できるもので、感動さえ覚える。
まさに「目からうろこ」である。
これは、少なくともマネージメントに関わる人はすべて読むべきではないか、とさえ思えるほどだ。
そして、頭に入って来やすいのは、それぞれの原則に対して具体的な実話が語られているところだ。
上記に羅列した様に、その原則だけでも感嘆するが、そこに具体例があるとより理解しやすい。
これもはバイブルとして定期的に読み直すべき本の1冊であることは間違いない。
フロイトによると人間のあらゆる行動は2つの動機に起因するーつまり、性の衝動と、偉くなりたいという願望、だそうだ。
他の哲学者や研究者でも言葉は違うが「自己の重要感」が必ず出てくるようだ。
つまり、人間は自分が重要だと思いたい・思われたいということなのだろう。
このことを十分理解し、行動原理としていたのが、リンカーンであり、アンドリュー・カーネギーであり、ロックフェラーだった。
カーネギーは公私いずれの場合も他人を褒め称え、自ら墓碑銘として「おのれより賢明なる人物を身辺に集むる法を心得し者ここに眠る」と書いたそうだ。
ロックフェラーも「真心を込めて感謝する」と言うことを常に意識して心がけていた。
〝レストランで出された料理が気に入ったらシェフに賛辞を伝えてもらい、丁重な態度で接してくれた接客係にはその対応に感謝の意を伝える。”
これはなんとか心がければ出来そうだ。
一方、“人を非難しない、気に入ったことがあれば心から賛成し、惜しみなく賛辞を与える”
これは意外と難しい。
仕事などでも、部下や相手がミスをしたり、言葉は悪いが「使えな」かったりする場合は、どうしても非難の方向に向かってしまうのではないだろうか。ロックフェラーのように億の損失をした部下相手に60%回収したことを褒め称えることなどなかなか現実的には出来ないだろう。
ただ出来るだけ褒める事は出来るはず。
及ばずながら、この項を読んでから一日1回は人を賞賛するメールを入れてみようと思っている。
ただ振り返ると必ずしも毎日出来ておらず、人を褒めるということの日常の少なさに驚いている。
また、相手が重要感を抱くには「名前を覚えること」も重要だとある。
カーネギーの会社が採算度外視でライバル社と泥仕合を演じていた際、相手の名前を全面的に出すことで簡単に合弁会社を作って、その分野を独占した話などはとても興味深い。
「聞き手にまわる」と言う原則では、
人に嫌われたり、陰で笑われたり軽蔑されたりしたかったら、次の条項を守るだけでよい、と書かれている。
一、相手の話を決して長くは聞かない
一、終始自分のことだけをしゃべる
一、相手が話している間、意見があればすぐに相手の話をさえぎる
一、相手はこちらよりも頭の回転がにぶい。そんな人間のくだらんおしゃべるをいつまでも聞いてる必要はない (と、考える)
どうだろう?
誰にでも思い当たることがあるのではないだろうか?
しかし、これが嫌われ、軽蔑される条項なのである。
逆に重要なのは「相手が喜んで答えるような質問をする / 相手自身のこと・得意としていることを話させ、心を込めてそれを聞く。」
それだけでよいのだ。
先日ディベートの本について書いたが、この本では「議論に勝つ唯一の方法として議論を避ける」とある。
議論をすればたとえ勝ったとしても相手には不快感が残る。それは勝ちとはいえない。
リンカーンの言葉にも「出来る限り相手に譲るべきだ。犬に出会ったら、権利を主張して噛み付かれるよりも、犬に道を譲った方が賢明だ。たとえ犬を殺したとて、噛まれた傷は治らない」というものがある。
誤りを指摘してはならないのだ。
「我々は自分の考え方を変える場合がよくある。ところが、人から誤りを指摘されると腹を立てて意地を張る。この場合我々が重視しているのは信念などではなく、自尊心なのである・・・」と言うのはある高名な教授の言葉だ。
これなどは、最近ビジネス(多分欧米)でよく言われている優秀なビジネスマンは「I ではなく WE を使う」と言う事実につながるのではないだろうか。
(実際に最近はほとんど We を使うようにしているが、これが意外と難しい。ここでも人間の自己主張の強さに驚かされる)
そして友好的・感謝に満ちた態度で相手に接することで、相手の心は動く。
ここで出てくる「北風と太陽のイソップ話」が分かりやすい。
激しい力ずくのやり方では相手はますます心を閉じる(「北風と太陽」の場合、ますますオーバーをしっかりととじる)、一方やさしい親切なやり方ははるかに効果があるものだと太陽が証明する。
なんて奥深い話だったのだろう!
自慢話をしない、と言うのはよく聞かれる事である。
さらに相手に話をさせる、ということも特に仕事では重要だ。
さらに言えば、相手に肯定的な意見を自ら言わせることが出来れば完璧だ。
人に注意を与える場合についても原則があるそうだ。
よく、人を批判する場合、まずはほめておいて、次に「しかし」と言う言葉をはさんで批判的なことをいい始める場合がある。
これなどは、本やセミナーによっては「Yes, but 方式」という名で正しい注意の仕方として教えられることもあるのではないだろうか。
しかし、この本ではその「しかし」を「そして」に言い換えるように勧める。
「期待をかける」という原則でも、なるほどと納得させられた。
人は評価を与えられると、その評価に違わぬ様にしようとする のだ。
例えば極端な話、会議などで進行を妨げるような言動をする人を「あなたの意見はいつも建設的で、周りの言うこともよくきいている。ひいてはあなたが司会進行をしてくれれば会議が非常に活発になるのでお願いしたい」と、議事進行役に指名すると、本人はその評価通りにしようと努力するのだそうだ。
これは結構使えるかもしれない。
このように、なるほどと思った内容を書き出したらきりがないが、そのどれもが納得できるもので、感動さえ覚える。
まさに「目からうろこ」である。
これは、少なくともマネージメントに関わる人はすべて読むべきではないか、とさえ思えるほどだ。
そして、頭に入って来やすいのは、それぞれの原則に対して具体的な実話が語られているところだ。
上記に羅列した様に、その原則だけでも感嘆するが、そこに具体例があるとより理解しやすい。
これもはバイブルとして定期的に読み直すべき本の1冊であることは間違いない。
コメント 0