ポジティブ・イングリッシュのすすめ   (木村和美著) [自己啓発]

こう言う時にこういう本に出会うんだなぁ。

最近、次の次元に行くために自分を変える必要性が出てきて、
少し悩んでいた。

この本は、シンガポールの紀伊国屋(!うらやましい!)でなにげなく買った。
タイトル的に、英語のポジティブな言い回しの本だと思って買った。
(英語圏では、ある程度以上の地位ではあまりネガティブな単語は使わないので、例えば「この部署が使えない」と言うかわりに「目標を達成するにはどこを改善しなければいけないか」と言う言い方をする)

ところが、全く違った。
しかも 目からうろこ である。

この本は、英米では文化的に人をほめることが多く、その結果、どのような効果をもたらすか、と言うようなことが書いてある。
本文にも出てくるのだが、日本では昔の武士道からの伝統もあって、スポーツでも仕事でも基本的に「厳しく」育てることを基礎としている。
例えば、イチローの親が中学の時の野球部監督に「決してほめないでください」と言ったのは有名な話だ。
一方、英米では時に大げさなほど褒める。

どちらがいいというわけではないのだが、日本は完璧をめざし、欠点をなくそうとする。
それに比べ英米では良い面を見るようにする。

この文化の違いが、日本人が英語が出来ても、なかなかコミュニケーションが出来なかったりする理由だそうだ。

本書に出てくる例としては、例えば会社で今まで挨拶を交わした程度の相手と一定時間一緒にいる場面で相手が「あなたのネクタイ素敵ですね」と言った際に、日本人は「いえいえ、安物で、これしかなかったんですよ」みたいな回答をするのに対し、アメリカ人は「ありがとう。実はこれいとこが誕生日に買ってくれて、そのいとこはそんなにしょっちゅう会わないのに、自分の好みの色とか覚えててくれて・・・」と話がどんどん続いていくのだ。
確かにこちらでは謙遜の美徳などないので、上記のような回答をしてしまったら会話はそこで終わって気まずい時間が流れるだけだ。
すごく的を得ていると思う。

さらに、一番感心したのは、良いところを見る文化の効用。

著者が実際アメリカの学校で体験したことだそうだが、隣に座っているクラスメートを褒めるという授業。
各国から勉強しに来ている人のクラスで、その日はたまたま、なまった英語で、人が話している時にでも自分の意見をかぶせてきたりする一番苦手な人が隣だったそうだ。
そこで、褒めるところを探していても、どうしてもその人のことを考えると上記の特徴が頭に浮かぶのだが、そこでふと「それは自分には出来ない、素晴らしい積極性ではないか」と気付き、そこを褒める。
そうすると相手はすごく喜び、めったに笑わないのににこにこしているそうだ。
そして著者自身、それ以来、その人のことが好きになったそうだ。

以前、カーネギーの「人を動かす」にも書いてあったが、人を動かす一番簡単な方法は相手を好きになり、相手に好きになってもらうことなのだ。

これは、本来当たり前のことかもしれないが、なかなか日常では出来ていないものすごく大事なことなのではないだろうか。
まさしく、目からうろこ であった。
そして1人、仕事上嫌いだった人に実践してみたのだが、その人はある面において自分よりもはるかに能力が上であることに気付き、実際に全く嫌いではなく、むしろちょっと好きになった。

当然のことながらこれは今後も、特にイラッっとした時(結構多いのだ)、実践していくべきだと思った。

あと1つ、この本にも書かれていたことで実践していることがある。

英米の人たちは例えばエレベーターの中やバス停などで、知らない人に対しても「素敵なシャツですね」などと話しかける。
実際にそういう場面はよくあるので、自分でも「今日は暑いね」などと話しかけるようにしていた。
日本人なのに珍しいね、などと言われ「顔は日本人だけど、もうヨーロッパ人だから」などと答えて会話が弾むこともあった。
だが、この本を読んで確かに「ほめる」言葉が多いのに気付いた。
そうだったんだ!

そこで、これからは出来るだけそういう場面(見知らぬ人)をほめてみることにした。

あと、会社にいる間に1日1度は誰かを褒めるというのも日課にしようと思う。

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