20歳のときに知っておきたかったこと   (ティナ・シーリング著) [自己啓発]

これはスタンフォード大学の集中講義を本にしたもの。
以前から読みたかったので、前回帰国時に買ってきた。

「20歳の時に知っておきたかったこと」というタイトルがついているが、この集中講義は起業家なども対象にしたものなので、20歳じゃなくても全然問題ありません。

もう、目からうろこ である。
内容はスタンフォードの学生を対象とした研究課題の結果などを紹介しているのだが、
一貫したテーマは「自分自身に許可を与える」ということ。
常識を疑う許可、世の中を新鮮な目で見る許可、失敗する許可、自分自身で進路を切り開く許可、そして自分自身の限界を試す許可。

成功を阻む最大の敵は自己規制である。
確かに、常識や規制は結構自分でそれにおさまってしまっている場合が多いと思う。
と、いうよりその前に疑うすべを知らない。
もちろん、社会のルールを逸脱することではなく、自分のルールを破るということである。
例えば面白い実験方法で実際に格安航空会社はこの手法で出来たそうだが、まずは「航空会社とは?」で思いつくまま挙げていくそうだ。
「CAによるサービス」「機内食」「人を運ぶ」などなど。
で、次にそれらをすべて否定する。
「CAを置かない」「機内食を出さない」「人を運ばない」など。
そこから、新しいサービスや機会を見つけ出すそうだ。
今の我々では機内食の出ない航空会社は普通だが、その当時「機内食」は常識だった。
その常識内ではアイデアは「どうやって機内食を安くおいしくするか」などの範囲に留まるのだそうだ。

もう1つ面白かったのはある質問。
「公園でお父さんと子供がキャッチボールをしていたが、子供が転んで頭を打ち、救急車で病院に運ばれた。
ところが外科医が<自分の子供は手術できない>と言ったそうだ。 どういうことなのだろう?」
さて、どういうことだと思いますか?

ちなみに、会社のドイツ人に聞いてみたところ、考えた挙句、「実は奥さんの前の旦那の子供だった」と言う答えが返ってきました。

答えは単純。
外科医が奥さんだっただけです。
ただ、誰もが頭の中のどこかで外科医は男という常識を作り上げてるのだそうです。

キャリアの部分では「共に働く人の質が最適になるようにキャリアを考えなさい」という言葉があった。
そうすればめぐってくるキャリアの質が上がるのだそうだ。
これは競争社会で生きている我々には言葉にするのは簡単だが、実行するのはなかなか難しい。

今の社会で自分の殻を破る、変化・変革を恐れないというのはものすごく難しい。
人は塗り絵の内側をきれいに彩色していた方が落ち着くし、快適なのだそうだ。
もちろんこの本でもそういった生き方を否定しているわけではない。
それも1つの選択だ。
ただ、枠を超えた上を目指しているのであれば、新しい世界に飛び込むことが必要ということだ。

自分のことで言うと、会社を変わったのは1つの大きな「変化」だったと思う。
業界では世界1位の企業から、世界3・4位(それでも十分なんだけど)の会社へ移ったこともあり、「よく決断したね」とか「なんで?」と言う声は大きかった。
(ここで、余談だが、大学時代からの親友たちは皆「お前がいいと思えばいいんでない?」と言ってくれた。 かっこいい奴らだと思う)
だが、今は忙しいながら非常に面白く、充実している。
そして会社自身も外からは見えなかったが素晴らしい会社で、その証拠に欧州企業であるにも関わらず在籍20年・30年と言う人たちが大勢いて、皆、親切且つ仕事に対して情熱的だ。
もちろんこれからマイナス面も見えてくるだろうが、それでも転職してよかったと思っている。
そして前の会社と同じような仕事内容だが、皆が「リスペクト(尊敬って書くとちょっとニュアンスが違うので」してくれているのがわかる。
こういったことは、新しい世界に飛び込んだおかげなのだろう。

ただ、転職の時「殻を破る」とか「新しい世界で」とか考えたわけではなく、タイミングと「こっちの方が面白そう」と言う単純な理由で変わっただけなのが、残念であるが。。。
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