プロフェッショナルマネージャー   (ハロルド・ジェニーン<元ITT最高経営責任者>) [ビジネス]

この本はユニクロの柳井氏の「バイブルであり、教科書」とのことだ。

柳井氏もそこを挙げているが、この本で一番印象に残ったのは次の部分。

「本を読むときははじめから終わりへと読む。ビジネスの経営はそれとは逆だ。終わりから始めてそこへ到達するために出来る限りのことをするのだ」

まず結論ありきで、最終的に何を求めるかを決め、そこから逆算して結論に至る方法を考えられる限り考え、いいと思う順からまず実行する。そして実行の足跡と結論を常に比較し、修正していく。

これは当たり前の様だが目からうろこだと思った。
一般的には我々は「目の前にある課題をひとつひとつこなしていけば結果が付いてくる」という様な考え方をしていないだろうか。

あと面白かったのは机をきれいにする必要はない、というか本当に経営している人間はきれいな机ではあり得ない、という話。
ほとんどのビジネス書や仕事が出切ると思っている人は「机が汚い人は仕事が出来ない」と言わないだろうか?
僕も言われたことが何度もある。

もちろんジェニーン氏が絶対正しいとは思わないが、「なるほど!」と思ったのはそういった考え方はビジネススクールから来ていると言う事だ。
そして、それを言う人も知ってるかどうかは別として、元はビジネススクールから来ていることを人伝なり、本からなり引用しているに過ぎない。

また、これはすごいなと思ったのは
「マネジメントには目的が、献身でなくてはならず、その献身は情緒的な自己投入でなくてはならない」
これも「ロジカルシンキング」を信奉しているビジネススクールとは対を成す考え方だ。

また同じような意味で
「真のリーダーは下の人々に、どんな理由からであれ自分を恐れさせないように、まがいものでない門戸開放政策を維持しなくてはならない」

支配→社内政略の構図の排除だ。

ジェニーン氏は意見が合わない場合、感情的になるのを避けるため、意識的に後ろにもたれる姿勢を取っていたそうだ。

「また重要なのは意見の応酬そのものより、そういった応酬を人々が見ていて、誰でも思っていることを口に出してボスに反対することが出来、それがちゃんと聞かれるということが会社中にしれわたることだ。」
とも言っている。

うちのManagementにプレゼントしたら嫌味に思われるだろうか。


「経営における情緒的態度と機械的要素の概念を会得し、それらを常時使い分けることが出来る者にはトップ・エグゼクティブの椅子が、座を空けて待ち受けている。」
これは僕が常に意識している“バランス感覚”にも通ずるところもあるのだろうか。

まとめ

l 物事を行うには会社の機構を通し、近道をせず、ルールに従ってやらねばならぬ。しかし、ルールに従って考える必要はない。物事がいつでもなされるやり方に自分の想像力を閉じ込めるのは大いなる誤りである。実際、それは自分を市場の大勢に追随させるだけに終始させてしまうだろう。

l 本来の自分でないものの振りをするな。自己顕示のための旅行、社内政治その他、真の自分でない役を演じることを避けよ。

l 紙に書かれた事実は人々から直接に伝えられる事実と同一でないことを銘記せよ。事実そのものと同じくらい重要なのは、事実を伝える人間の信頼度である。

l 組織の中のよい連中はマネージャーから質問されるのを待ち受けている。なぜなら、彼らはそれに答えることが出来、答えたいと思っているからだ。

l 物事の核心を突く質問をされるのをいやがるのはインチキな人間である。


ユニクロの強さはこれらのことを実践しているところにもあるのだろう。


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