スギハラ・ダラー   (手嶋龍一著) [小説]

手嶋龍一氏と言えば「9.11」の時のニュースを思い出す。

当時NHKのワシントン支局長か何かで、あの独特の語り口調と共にずーっとNHKのニュースで流れてたのを覚えてる人も多いのではないだろうか。
なんでもあの時は11日間ほとんど不眠不休で中継放送を行っていたそうだ。
確かに、日本時間の深夜までニュース見て、翌朝起きても手嶋氏が語り続けてた記憶がある。

その氏が、その後NHKを退職して“実話に基づいた”「ウルトラ・ダラー」を発表。
テロの内幕や、国家レベルでの偽札造り。
そこに某日本企業の技術が使われてることなど、結構衝撃だった。

こういった国家レベルの高度な機密情報を“インテリジェンス”と呼ぶそうだが、今回もそのインテリジェンスを題材にした話。

今回はナチスの迫害から逃れる多くのユダヤ人を助けた杉原千畝と、そこから続く国際金融市場、金融恐慌とテロの関係などを描いていてやはり面白い。

ちなみに杉原千畝は、以前テレビでも「日本のシンドラー」と紹介され、2時間ドラマにもなった。

当時、リトアニア大使で、大量に押しかけるユダヤ難民に対して本土へ無許可で出国ビザ発行し続け、多くのユダヤ人の命を救った人。

この本では彼もインテリジェンス・オフィサー(機密情報員)であったとされている。
そして彼をあの大量の「スギハラ・ビザ」発行に導いたのも彼の秘書官をしていたポーランドのインテリジェンス・オフィサー。

ところで、杉原千畝はやはり今でもバルト3国では有名な英雄で、以前欧州各国の営業会議で同席したリトアニア人の同僚から挨拶の後すぐに「チウネ・スギハラは知ってるか?」と聞かれた。かの国ではおかげで日本人の印象はものすごくいいそうだ。
そのせいか、リトアニア産のチーズとかお土産にくれた。

背景はどうであれ、やはりそれだけの人を救ったと言うのはすごいと思う。
そして、それだけ多くの人に幸せを与えた人生は、やはり充実した人生だったのだろうと思う。

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